YAWN YARD
沖縄県今帰仁村・古宇利島に2024年9月に開業した宿泊施設「YAWN YARD(ヨーンヤード)」にて、開業の約2年前から料飲部門の監修として携わりました。
フードコンセプト設計、メニュー開発、厨房設計、機材選定、カトラリー選定、調理オペレーション、立ち上げ支援、開業後の顧問業務まで、料飲に関わる領域を一貫して支援しています。
このプロジェクトで大切にしたのは、単に料理を開発することではありません。
宿の思想、建築、庭、土地の風景、沖縄の食文化をひとつにつなぎ、「この場所に泊まるからこそ味わえる食体験」へと落とし込むことでした。
たべるデザインが大切にしている「Modern Okinawa」の視点。
沖縄の素材・食文化・伝統・工芸・言葉を、現代の宿泊体験の中で再編集し、国内外のお客様にとっても魅力ある食体験へと整えていく。
YAWN YARDでの料飲設計は、その考え方を具体的な宿泊体験として形にしたプロジェクトのひとつです。
現在では、これまでにない沖縄料理として、国内外のお客様から支持され、リピーターの多い宿の食体験として育っています。
ご相談の背景
YAWN YARDは、沖縄・古宇利島という土地の魅力を背景にした宿泊施設です。
建築は、沖縄の伝統的な家屋のつくりをベースにしながらも、現代的で新しい感覚を取り入れたものです。
昔ながらの沖縄の住まいが持っていた、外と内の境界がゆるやかにつながる感覚。
風が抜け、庭があり、暮らしと自然が近くにある感覚。
そのあり方は、私たちが考える「Modern Okinawa」の思想とも、とても相性の良いものでした。
だからこそ料飲部門には、単に食事を提供するだけではなく、建築や滞在体験と一体になった「この場所で食べる意味」を設計することが求められていました。
特に重要だったのは、以下の点です。
・宿の世界観とつながるフードコンセプトをつくること
・沖縄ややんばるの食材・食文化を、現代の宿泊体験として再編集すること
・小さな調理場でも継続できるメニューとオペレーションにすること
・国内外のお客様に伝わる、新しい沖縄料理の形をつくること
・開業後も品質を保ち、改善し続けられる体制をつくること
フードコンセプト
策定したフードコンセプトは、
FOOD GRADATION
土地に溶け込み、境界線のない食体験
です。
他から借りてきた料理ではなく、やんばるを中心に、南は南城市奥武島まで、半径70キロメートル以内の景色や食文化をもとに、「庭の食卓」とはどうあるべきかを考えていきました。
境界線のない食体験とは、宿の小さな調理場の中だけで完結するものではありません。
島に受け継がれてきた風景。
畑や海。
食材をつくる人。
暮らしの中で続いてきた味。
そして、宿に流れる静かな時間。
それらが自然につながり、ひとつの食卓として立ち上がること。
そのあり方を、YAWN YARDの食体験として設計しました。
食べられる庭
YAWN YARDでは、庭のスペースに、ハーブや島野菜を収穫できる「食べられる庭」を設けました。
これは、単なる装飾としての庭ではありません。
宿の中にある庭と、食卓で提供される料理が自然につながることで、ゲストが土地との距離を少し近く感じられるようにするための設計です。
庭で育つハーブや島野菜。
その日の空気。
季節の移ろい。
それらが料理やドリンクの中に少しずつ反映されることで、食事は単なる一皿ではなく、滞在の記憶につながっていきます。
「庭の食卓」という考え方は、YAWN YARDの料飲体験における大切な軸になっています。
メニュー設計で大切にしたこと
メニューは、特別な食材を並べることよりも、「この土地で食べる意味」が自然に伝わることを大切にしました。
たとえば、島塩のまろやかな旨みを感じる焼鮭。
島野菜を使った副菜。
さんぴん茶と野菜の出汁で炊いたぼろぼろジューシー。
今帰仁産クレソンと味わう島豚。
160年の歴史をもつ味噌蔵の味噌に漬けた県産和牛。
どれも派手な演出ではありません。
けれど、土地の風景、人の営み、沖縄の食文化が、宿の食卓の中で自然につながるように設計しています。
大切にしたのは、「沖縄らしさ」を記号として並べることではありません。
沖縄料理をそのまま再現するのでもなく、過剰に新しく見せるのでもない。
伝統や土地の記憶を大切にしながら、現代の宿泊体験として、国内外のお客様に届く形へと整えること。
すぐ側にありそうで、どこにもない味。
無理に変えず、過剰に飾らず。
ここにしかない味を探求しながらも、地域の食文化に根ざした食体験であること。
それが、この「庭の食卓」に必要な役割だと考えています。
国内外のお客様に支持される食体験へ
YAWN YARDの食体験は、開業後、国内外のお客様から支持されるものへと育っています。
一般的な沖縄料理のイメージに寄せるのではなく、沖縄の食文化を現代の宿泊体験として再編集したこと。
土地の素材や背景を大切にしながらも、重くなりすぎず、静かで洗練された食卓として整えたこと。
その結果、初めて沖縄を訪れる方にも、何度も沖縄を訪れている方にも、「これまでにない沖縄料理」として受け取っていただける体験になっています。
また、YAWN YARDにはリピーターのお客様も多く、食体験は滞在価値を高める大切な要素のひとつになっています。
料理単体ではなく、宿の世界観、建築、庭、接客、過ごす時間と一体になっているからこそ、記憶に残る食体験として機能していると考えています。
担当した領域
コンセプト設計
・フードコンセプト設計
・食体験全体の方向性設計
・宿の世界観と料飲体験の接続
・Modern Okinawaの視点による食体験設計
メニュー・ドリンク開発
・全体メニュー開発
・地域食材を活かした料理設計
・朝食、夕食の構成設計
・ドリンクラインナップ選定
・部屋置きフードアイテム選定
現場導入・運用設計
・調理オペレーション設計
・調理レクチャー
・立ち上げ支援
・開業後の改善提案
・小さな厨房でも継続できる運用設計
空間・備品設計
・厨房設計
・厨房機材選定
・カトラリー選定
・庭と食体験の接続設計
継続支援
・開業後の料飲顧問業務
・季節や運用状況に応じた改善支援
・メニュー、食材、提供方法の見直し
・ゲストの反応を踏まえた改善提案
主な成果物
・フードコンセプト
・メニュー構成
・料理レシピ
・調理手順
・厨房機材選定
・カトラリー選定
・ドリンクラインナップ選定
・部屋置きフードアイテム選定
・食べられる庭の方向性設計
・調理オペレーション
・開業前レクチャー
・開業後の改善提案
導入後の関わり
本プロジェクトは、開業前の立ち上げ支援だけで終了していません。
2024年9月の開業後も、顧問契約として継続して支援しています。
開業後は、実際の運用状況やゲストからの反応を踏まえながら、メニュー、オペレーション、食材選定、提供方法の改善を継続的に行っています。
宿泊施設の料飲部門は、開業時につくって終わりではありません。
季節、仕入れ、人員体制、ゲスト層、口コミ、現場の習熟度によって、少しずつ課題が変わっていきます。
だからこそ、開業後も伴走しながら、宿の価値を高め続けることが重要だと考えています。
ご依頼主
株式会社 カシワバラ・ハンズ様
https://www.kashiwabara-hands.co.jp/
YAWN YARD
https://www.yawnyard.com/
期間
立ち上げ支援:2022年11月〜2024年9月
顧問契約:2024年9月〜現在
宿泊施設の料飲部門で、このような課題がある方へ
・地域食材を活かしたいが、宿の価値につながっていない
・朝食や夕食の印象をもっと強くしたい
・料理はあるが、宿泊体験全体とつながっていない
・沖縄らしさや地域性を、安易な演出ではなく上質に表現したい
・厨房や人員の制約があり、現場で続けられる設計が必要
・開業前に料飲部門を一緒に整える外部パートナーが必要
・開業後もメニューや運用を改善し続けたい
・国内外のお客様に支持される食体験をつくりたい
・リピーターにつながる食の印象を残したい
たべるデザインでは、宿のコンセプト、地域食材、食文化、メニュー、厨房、オペレーション、提供方法までを一体で考え、宿泊価値につながる食体験を設計します。
料理だけを考えるのではなく、宿全体の価値を高めるために、食をどのように位置づけるべきか。
その視点から、開業前の設計から開業後の改善まで伴走します。
まずは無料相談で、現在の課題と進め方を整理します。








