農家、漁師、職人とつながる“顔の見える食”をデザインする実践法
「この野菜、どこの畑で誰が作ってるの?」
「この塩は、どんな海から、どんな人の手で?」
今、飲食業界や商品開発の現場で注目されているのが、“顔の見える食”という考え方です。
とくに沖縄では、農家・漁師・職人といった地域のつくり手とつながることで、素材以上の「価値」を提供できる場面が増えています。
この記事では、生産者とのつながりを活かした商品・メニュー開発の実践方法を、沖縄でのフードコンサルティングの視点からお伝えします。
“顔の見える食”とは何か?
“顔の見える食”とは、素材が「どこから来て」「誰が作っていて」「どう届けられているか」が見える状態を指します。
単に「地元産」「有機野菜」というだけでなく、
- 生産者の名前や顔が見える
- 作り手の想いやこだわりが伝わる
- つながりの物語がある
といった要素が加わることで、食の価値が一段と高まり、消費者との信頼や共感が生まれます。
なぜ今、“顔の見える食”が求められているのか?
沖縄県内でも、観光客・地元客を問わず「誰がつくったか」が意識されるようになっています。その背景には次のような変化があります。
- 安心・安全志向の高まり(どこの食材か分からないものを避けたい)
- SDGs・地域循環への関心(地元の産業や人を応援したい)
- “モノ消費”から“コト消費”へ(ストーリーや体験を重視)
これらの流れを受けて、「生産者との関係性」そのものがブランド価値になっているのです。
実践①|生産者と出会う“場”をつくる
まずは、実際に生産者と会うことから始めるのが鉄則です。
- 地域のマルシェや朝市に足を運ぶ
- JAや農業支援センターを通じて紹介を受ける
- 飲食店や宿泊施設の仕入れ先をたどる
- フードコンサルタントを通じてコーディネートしてもらう
沖縄には規模は小さくても熱量のある農家・漁師・加工職人が多く、対話の中から思わぬヒントが見つかることもあります。
実践②|素材の背景を“編集”する
素材の良さは、味や見た目だけでは伝わりません。
大切なのは、「どのように伝えるか」。
たとえば…
- メニュー名に生産者の名前を入れる
(例:仲村さんの今帰仁トマトと島豆腐のカプレーゼ) - 商品ラベルに生産地の写真やエピソードを載せる
- インスタ投稿で、仕入れ先とのやり取りや現場の風景を紹介
これらは、「安心だから」だけでなく、「誰かの手から届いている」ことが実感できるデザインです。
実践③|“顔の見える食”をブランド化する
生産者と連携した商品やメニューは、単なる食の提供を超えたブランドづくりにもつながります。
- 限定メニュー化やフェア開催(例:○○農園とのコラボウィーク)
- 商品開発の共同ブランド化(例:島野菜×ヴィーガン惣菜)
- パートナーシップを明記した広報(WebやPOPなど)
信頼と物語が重なった商品は、価格競争に巻き込まれにくく、応援されるブランドへと育っていきます。
実践④|継続的な“関係性”を育てる
つながりは一回限りでは意味がありません。
リピート発注や季節ごとの連絡、産地訪問の継続など、関係性の積み重ねが商品の厚みをつくります。
また、生産者側も「どんな人がどう料理に使ってくれるのか」を知ることで、意欲や品質向上につながる好循環が生まれます。
沖縄で“顔の見える食”をつくるなら
沖縄には、自然と共に生きる知恵、手間ひまをかける職人文化、そして地域で支え合う風土があります。
だからこそ、「誰とつながるか」「どのようにつながるか」がとても重要です。
私たちたべるデザインでは、沖縄の生産者と協働しながら、飲食店・宿泊施設・メーカーの商品開発やメニュー開発を支援しています。
- 農家・漁師・職人とのマッチング
- 企画から試作・PRまで一貫したフードコンサルティング
- “つながり”を伝えるビジュアルやストーリーづくり
など、食の背景を「価値」として伝える設計をお手伝いしています。
まとめ|つながることで、食はもっと伝わる
“顔の見える食”は、生産者だけでなく、料理人や消費者の心にもあたたかいつながりを生み出します。
単なる素材の仕入れではなく、「誰と」「なぜ」関わるのかをデザインすること。
それが、これからの食のブランド価値をつくる鍵です。
沖縄の豊かな風土と人の力を活かした商品・メニューづくりをお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
たべるデザインでは、沖縄の生産者との連携による商品・レシピ開発、地域ブランディングをサポートしています。
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