たべるデザインのコラム

YAWN YARDアニバーサリーケーキの開発

沖縄の素材を活かしたメニュー設計・ブランディング支援とは?

沖縄で飲食店や宿泊施設、食品ブランドを運営している方にとって、「沖縄らしさ」と「独自性」の両立は重要なテーマです。
観光客にも地域の人にも選ばれるためには、単に沖縄素材を使うだけでなく、素材の魅力を活かした“設計”と“伝え方”の工夫が不可欠です。

この記事では、沖縄の素材を軸にしたメニュー設計とブランディング支援の考え方や事例を、料理人、フードコンサルタントの視点からご紹介します。


沖縄素材を「選ぶ」のではなく「引き出す」

沖縄には、シークヮーサーやアグー、島野菜、もずく、黒糖など、魅力的な食材が多く存在します。
しかし、それらを「ただ使うだけ」では、他店との差別化にはなりません。

ポイントは、素材の背景や文脈を理解し、それをどう表現するか。

たとえば、

  • 島人参は、甘みを引き出す調理法で素材の力を見せる
  • 規格外のゴーヤーを活用し、フードロスと向き合う姿勢を伝える
  • 昔ながらの味噌や油味噌をモダンな皿に再構成する

このように、「素材の良さ × 表現の設計」が、メニューの独自性とストーリー性を生み出します。


なぜ“設計”が重要なのか?

メニューは単なる料理リストではなく、「ブランド体験の設計図」です。
味はもちろん、価格、盛り付け、素材の背景、サービス、ネーミングに至るまで、すべてがブランドを構成する要素になります。

特に沖縄では、観光・地域資源・文化体験との親和性が高く、
「土地の魅力をどう伝えるか?」という視点が求められます。

例:観光客向けの飲食店なら…

  • 調味料や食材に地域の名前や生産者のストーリーを加える
  • 「旅の記憶に残る1皿」を意識した演出とネーミング
  • 沖縄の四季や行事に合わせた限定メニューの設計

“何を出すか”ではなく、“どう伝えるか”までを設計することで、記憶に残るメニュー=ブランディングの核となります。


フードコンサルティングによる支援内容

沖縄での飲食店・ホテル・商品ブランドなどにおけるフードコンサルティングでは、以下のような支援を行っています。

▪ メニュー開発・商品企画

  • 地元食材を使ったレシピ開発
  • 食材調達と季節性を踏まえた設計
  • 原価・オペレーションまで考慮した導入支援

▪ ブランディング支援

  • コンセプト設計(誰に・何を・どう届けるか)
  • メニュー名や商品パッケージのストーリーデザイン
  • 写真・映像・コピーを含めた世界観づくり

▪ スタッフ向けトレーニング

  • 素材の伝え方、プレゼンテーション
  • 接客時のストーリーテリング
  • 調理マニュアルと一体化した体験価値の共有

「美味しい料理」はもちろん重要ですが、今の時代は「体験」と「共感」が選ばれる要素になっています。
味覚だけでなく、心にも残るメニュー設計が求められています。


実践事例|沖縄県内での取り組み

たとえば、古宇利島のホテル「YAWN YARD」https://www.yawnyard.com/ では、
地元で採れる南国果実やハーブを使ったアニバーサリーケーキを開発。

「ただのリゾートスイーツ」ではなく、

  • その土地で採れるもの
  • 過剰に飾らず、空間になじむデザイン
  • ゲストに“想いを伝える”ストーリー設計

という視点でブランディングを行い、宿泊体験全体の価値を引き上げました。

また、那覇市内の飲食店では、
“県産素材の使い切り”をテーマにした「サステナブルランチコース」を設計し、
環境意識の高い層に向けた訴求にも成功しています。


まとめ|沖縄素材の価値を、未来へつなぐ

沖縄の素材は、ただの「地元食材」ではありません。
その背景には、気候・文化・歴史・人の営みがあります。

だからこそ、それらを活かすには、
料理力だけでなく「編集力」や「発信力」が求められます。

“素材を選ぶ”から、“価値をつくる”へ。

沖縄の魅力を一皿に込め、地域と人をつなぐメニューを一緒に設計していきませんか?


たべるデザインでは、沖縄を拠点に飲食店・宿泊施設・商品ブランドへのメニュー開発・コンセプト設計・ブランディング支援を行っています。

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