たべるデザインのコラム

飲食店の風景

料理の腕だけじゃ足りない?経営者として開業するための心得

「いつか自分の店を持ちたい」と思う料理人は多いものです。
長年の修業を積み、調理技術には自信がある——でも、飲食店の開業・経営には“料理の腕”だけでは足りないのが現実です。

実際に、沖縄を含め全国各地で毎年多くの飲食店が開業する一方、3年以内に約5割が閉店しているというデータもあります。
では、料理人が“経営者”として飲食店を開くには、何を心得ておくべきなのでしょうか?

本記事では、私自身の飲食店経営者としての経験と、フードコンサルタントの視点から、開業前に知っておきたい「料理力」以外のポイントをお伝えします。


1. 経営者に必要なのは「数字を見る力」

料理人として厨房に立ってきた方にとって、売上や原価、利益率といった“数字”は後回しにされがちです。
しかし、経営者には「数字を読んで判断する力」が不可欠です。

  • 食材原価はどれくらいか?
  • 家賃・光熱費・人件費のバランスは?
  • 月の売上目標に対して日割り・客単価はいくら必要か?

これらの基礎が見えていなければ、どれだけ料理が美味しくても“赤字の店”になってしまいます。

ワンポイント

開業前に「損益分岐点」を把握しておくこと。
小さな数字でも、積み重ねが経営を左右します。


2. コンセプトとターゲットの明確化

沖縄で飲食店を開業する際にも、「コンセプトが曖昧な店」は集客に苦労しがちです。

  • 誰に食べてもらいたいのか?
  • 何を伝える店なのか?
  • 他店とどう差別化できるのか?

たとえば、「地元の農家と連携した季節野菜のイタリアン」「観光客向けの沖縄素材×スイーツカフェ」など、ストーリーや独自性があるコンセプトは、集客とリピートに強く作用します。

コンセプト設計は、メニュー開発・内装・価格帯・SNS発信まで全てに影響する、まさに「お店の土台」です。


3. チームづくりと“人材マネジメント”の視点

自分一人で始める場合も、いずれはスタッフやパートナーとチームを組むことになります。
そのときに重要になるのが「人を育てる目線」と「現場の空気感」です。

  • 言い方ひとつで、スタッフの士気が変わる
  • オペレーションに無理があれば、料理の質も落ちる
  • 「任せる力」が育たなければ、経営の幅が広がらない

料理が得意なだけでは、“良いチーム”はつくれません。
経営者として「現場をどう動かすか」も、大きな腕の見せ所です。


4. 情報発信とブランディングの重要性

今の時代、料理がいくら美味しくても、「知られなければ存在しない」のと同じです。

Instagram・Googleマップ・食べログ・LINE公式などを活用して、

  • 店の世界観
  • 料理の背景
  • 作り手の想い

を届けることで、「共感」によるファンをつくることができます。

沖縄のような観光地では、県外からの来店も見込めるため、“発信力”が売上を左右する時代だと言えるでしょう。


5. 「経営者マインド」を育てるには?

経営に必要なスキルは、料理学校や現場だけではなかなか学べません。
だからこそ、開業前からフードコンサルタントや先輩経営者のサポートを受けることが、有効な選択肢になります。

「料理人」としての自分に、「経営者」としての視点を掛け合わせていくことで、店はより強く、長く続くものになるのです。


まとめ|「料理力 × 経営力」で、理想の店をカタチにする

開業はゴールではなく、スタートです。
夢だった店を“続く店”にするためには、料理の腕と同じくらい、経営の視点が必要です。

  • 数字を読み、
  • 人を育て、
  • 発信し、
  • 地域とつながりながら、
  • 自分だけの価値を提供する。

それは、決して特別なことではありません。
「料理人」である自分を活かしながら、「経営者」としての新たな物語を始めてみませんか?


たべるデザインでは、沖縄で飲食店を開業したい方向けに、コンセプト設計・商品開発・立ち上げ支援を行っています。

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