たべるデザインのコラム

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小さなお店のための、等身大のブランディングの始め方

小さなお店でも始められる、等身大の飲食ブランディング。想いを伝えるためのヒントを実例と共に紹介します。

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「お金をかけなきゃブランディングはできない」
そう思い込んでいませんか?

たしかに、ロゴや内装、写真撮影やWebサイト制作をプロに依頼すれば、ある程度の費用はかかります。でも、そもそもブランディングとは、そうした“表面の装い”だけを整えることではないはずです。

本質的なブランディングとは、「何を届けたいか」、「どんな存在でありたいか」を丁寧に言葉にし、日々の営みの中で静かに表現し続けること。
その軸さえぶれなければ、大きな予算がなくても、“伝わる店”はつくれます。

たとえば、自分のお店が「何のためにあるのか」を、きちんと語れるでしょうか?

なぜこの料理を出しているのか、誰にどんな気持ちで帰ってもらいたいのか。
そんな“想いの芯”が言語化されているだけで、お店の印象は大きく変わります。

そこに「声のトーン」を加えていくと、さらに世界観が立ち上がってきます。
ていねいでやわらかな言葉で綴るのか、元気で親しみのある表現を使うのか。
あるいは、余白を残した詩のような語り口にするのか。
お店の空気感に合った言葉選びは、それだけでブランディングになります。

また、視覚的な“佇まい”も重要です。
古民家で丁寧に出汁を引いているのに、ポップなフォントのメニューを置いていたら、その違和感はお客様にも伝わってしまいます。
でも、木のぬくもりを感じる手書きのメニューがそこにあれば、「らしさ」がにじみ出てくる。

写真も同じです。
高価な機材やプロの技術がなくても、自然光のなかで、その日の日常を切り取った写真には、嘘のない魅力が宿ります。
盛り付けも、引き算を意識するだけで、その店らしさが伝わる画になります。

そして、SNSやショップカードといった日々の発信や紙モノに、世界観を少しずつ積み重ねていく。
たった一言のストーリーを添えたメニュー、一皿ごとに宿る想い。
それらが“積み重なること”が、ブランディングの本質です。

大切なのは、整いすぎた美しさではなく、「自分たちらしさ」が滲むこと。

デザインの知識がなくても、特別なスキルがなくても、「こうありたい」という思いが言葉になり、伝わる工夫を少しずつ重ねていくことで、お店は自然と“唯一無二のブランド”になっていきます。

むしろ、小さなお店だからこそ、削ぎ落とされた本音や想いがまっすぐに届くこともある。
お店の魅力は、すでにあなたの中にあるのです。

あとは、それを少しづつ「伝わるかたち」にしていくだけです。

根気強く取り組んでいきましょう。

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